川越市シルバー人材センターでは、健康で働く意欲のある高齢者が、長年の経験で培われた知識や技術を活かして、様々な活動をしています。その活動の一環として、観光案内グル―プを結成し、独自事業として観光ガイドを行っています。
今回は、川越市シルバー人材センター副理事長の佐久間正二さん、観光ガイドの櫛下町(くしげまち)隆介さんと柴田三枝さんに観光ガイドとしてのおもてなしの取組みなどについてお話を伺いました。
Q 観光案内グル―プ設立の経緯について教えてください。
A 川越は、古くから「小江戸川越」として親しまれ、市内に城跡や神社仏閣などの史跡が多く、都心に近いという恵まれた地理的条件もあり、観光客が年々増加傾向にありました。こうした中、川越市観光課から観光ガイドをやっていただけないかとの要請を受け、昭和61年5月にセンターの独自事業として観光案内グループが発足しました。
Q 観光ガイドの人材育成の方法について教えてください。
A 観光ガイドになるには、まずセンターが主催する1年間の観光ガイド養成研修で、川越の歴史や主な観光地についてしっかりと勉強し、研修終了後、ガイド検定試験に合格することが必要です。さらに、合格したガイドは月例会に参加し、情報交換を行うとともに研究発表も行っています。
ボランティアといっても、ガイド料金をいただいていますので、川越の歴史や物産品など実際のガイドに役立つ情報の収集に常に努めるなど、スキルアップを図っています。
Q ガイドするにあたってどのような準備をしますか。
A ガイドの依頼があると、まず、お客様からガイドの希望を詳しく聞き取り、詳細な行程を組みます。皆さん次の予定を組んでおられますので、終了時間を守ることが大切です。そのため、余裕をもって行程を組み、予定時間内にガイドを終えるよう気を付けています。また、事前にお客様の年齢層やどのような団体かといったことについても確認しておきます。年齢によって歩くペースも異なりますし、どのような団体かを知っておくことでどのような観光スポットを重点的に御案内すべきか、行程を組む際にとても参考になります。
Q ガイドをする際に心がけていることを教えてください。
A 遠方からお越しになるお客様も多いので、集合場所でお会いしたら、まず「お疲れ様でした」「遠くからありがとうございます」などと、ねぎらいの言葉をかけるようにしています。また、電車やバスで長時間移動されたことを考慮してお手洗いの御案内も必ずします。
ガイド中の説明は各箇所3分以内でまとめ、お客様が飽きてしまうことのないようにしています。また、ガイドはお客様に楽しく観光していただくことはもちろん、安全に御案内することも重要だと考えています。例えば、歩きながら説明すると車や足元の障害物に気が付かなかったりするので、きちんと立ち止まった状態で御案内しています。
Q ガイドのみなさんの考えるおもてなしとは何ですか。
A おもてなしとは、相手がどのような思いでいるかを察して、望んでいるものをさりげなく提供することだと思います。
ガイドの予約をされたお客様には事前に希望などを伺ってはいますが、実際にお会いしてみて、買い物が好きなお客様であれば買い物の時間を長めにしたり、次の予定がなくじっくりガイドをして欲しいというお客様には多少時間を過ぎても長めにガイドをしたりすることもあります。お客様に合わせて柔軟に対応することが大切だと考えています。
Q イベントの企画も行っているようですが、評判の良かった企画を教えてください。
A 川越に宿泊していただきたいという思いから、昨年、期間限定ではありますが「伝説妖怪ナイトツアー」という夜のイベントを開催したところ、4日間で1300名以上の方に御参加いただきました。大変好評で、参加された方からまた開催してほしいとの声を多数いただき、今年も開催が決まりました。このイベントをきっかけに、川越に宿泊するお客様を増やして川越に多くの観光スポットがあることを知っていただき、リピーターにつなげたいと思っています。
Q 今後の展望をお聞かせください。
A 川越にはたくさんの見どころがあるので、今後はガイドのエリアを広げていきたいと思っています。例えば、歩きだけでなく、バスを利用してのガイドなども実施したいです。そのためには、新たな観光スポットについて勉強し、覚えなければいけないことも増えるので、月例会などを利用してさらにガイドの知識、スキルを充実させていきたいと思っています。
昨年、鉄道5社により川越、横浜方面の相互直通運転が開始され、横浜から川越まで乗換なしで来られるようになりました。その結果、横浜方面からのお客様も段々と増えてきているので、リピーターになっていただけるようガイドのスキルを磨きながら活動を続けていきたいと思います。
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