ネジ製造業として足立区で創業の後、昭和43年に現在の地へ移転した(有)浅井製作所。
子供が工場の中を気軽にのぞくことができるように、クラウドファンディングを活用してのぞき穴を設置する等、本業だけでなく工場見学にも積極的に取り組んでいます。
見学に訪れる年代層は子供から大人まで幅広く、専門家だけでなく、親子連れやカップルでの見学もあるのだとか。
今回は、代表取締役社長の浅井英夫さんに工場見学の特徴や、今後への豊富についてお話を伺いました。
Q 工場見学の特徴について教えてください。
A 平成13年から工場見学を受け入れるようになりました。その後、工場の外からも中が見えるように、外壁に見学用の窓を設けました。こうした取組を続けている中、子供でも気軽に工場内が見えるよう、窓よりも低い位置にのぞき穴を設置することになりました。資金確保にクラウドファンディングを活用したのですが、目標としていた出資額を確保することもでき、平成27年8月にのぞき穴が完成しました。これによって、子供達が今まで以上に気軽に工場内をのぞくことができるようになりました。
Q 工場見学で「おもてなし」を意識している点はありますか?
A 大きく2点あります。
まず、できるだけ近くで機械を見てもらうことを意識しています。近くで見ることで、よりリアリティーのある経験を得られるのではないかと考えるからです。そのため、安全確保の観点から、小学生以下の見学の場合は必ず大人の同伴を求めています。
次に、できるだけネジに触れてもらうことを意識しています。「出来立てのネジは熱い」といった感覚を大切にしています。
ちなみに、見学終了時には「ネジ狩り」と称して、ネジを好きなだけ持ち帰らせています。たくさん持って帰る子もいれば、少しだけ持って帰る子供もいて、その違いが面白いですね。
Q 平成13年に工場見学を始めたきっかけを教えてください。
A 工業高校の先生による見学がきっかけでした。この先生が「感動した」とおっしゃってくださり、後日、生徒さんを連れての見学へとつながりました。その後、わが社での工場見学について徐々に口コミが広がっていったのですが、並行してHPにも工場見学可能とうたうようにしました。そのような中、平成23年に雑誌の工場見学特集で我が社が取り上げられることとなり、工場見学の数も一気に増えていきました。
Q 本業に加えて工場見学を受け入れることは大変ではありませんか?
A 見学に対応する労力は確かに生じます。しかし、工場見学への対応が将来的な裾野拡大につながると考えています。また、口コミ等の形で宣伝・広告にもつながると考えています。これまでも、多くのテレビや雑誌に取り上げていただけることになりました。また、映画のロケ地として使用されたこともあります。ちなみに、昨日(平成27年9月6日)の埼玉新聞で、わが社が一面で取り上げられました。
Q 今後の抱負などについてお聞かせください。
A 現在、自社での受け入れに加えて、仕事でつながりのある方々に、工場見学の積極的な受け入れを提案しています。工場見学を積極的に受け入れる姿勢が、全国の中小企業に広がってくれればと思っています。