「オープンガーデンよこぜ」は会員の皆さんがボランティアで自宅の庭園を開放し、横瀬町を訪れる観光客に花でのおもてなしをしています。
その取組が評価され、平成26年度埼玉県おもてなし大賞の奨励賞を受賞されました。
今回は、オープンガーデンよこぜ・運営部会長の藤野信子さん、横瀬町観光・産業振興協会事務局の田端将伸さん、金子るみさんにお話を伺いました。
Q オープンガーデンよこぜの設立までの経緯を教えてください。
A 横瀬町は札所巡りやハイキングなどの観光客が多く、住宅地でもよく観光客の姿を見かけます。以前より花が好きで、庭づくりに力を入れていた方も多く、「札所巡りやハイキングをされる方に、花を見て楽しんでいただけたら」という発想から、花好きの方に声を掛け、平成21年に行政と横瀬町観光・産業振興協会そして住民が協力し合いオープンガーデンよこぜを立ち上げました。協会で会員を募集し、現在では約70件が登録しています。
Q 会員になるにはどのような条件が必要ですか。
A 会員の募集要項はありますが、「横瀬町民に限る」など基本的なことしか決まりはありません。重要なのはとにかく花が好きなことだけです。庭園の規模も定めておらず、小さなプランター一つでも参加していただけます。また、花の開花時期はまちまちなので、咲いていない時期はクローズにすることもできます。
Q 藤野さんがお客様を迎えるにあたり、工夫していることはありますか。
A お客様が来たときは、できるだけ庭に出て、花の紹介などお客様と積極的に会話をするようにしています。また、留守のときは、お茶やコーヒーを庭先に置いておき、自由に利用していただけるようにしたり、庭で採れた花の種を小分けにしてお持ち帰りいただけるように置いています。花の種を持ち帰った方から、後日、花が咲いたという報告のお手紙をいただくこともあり、とても励みになります。その後、お客様とお友達になって交流が続くこともあり、横瀬観光のリピーターにもつながっています。
※これらのサービスはすべての会員がやっているものではなく、藤野さんが自主的に行っているものです。
Q オープンガーデンをやられていて、苦労されたことはありますか。
A 夏の暑い時期などは庭の手入れが大変ではありますが、元々自分たちが楽しんでやっていることなので、あまり苦労と感じることはありません。また、「オープン」と「クローズ」の看板を作り、会員の都合が悪いときにはいつでも閉園できるようにしています。そのため、観光客が勝手に入ってきて困るというようなトラブルも特にありません。
Q 今後の展望をお聞かせください。
A 最近では、オープンガーデンを目当てに横瀬町を訪れる方もたくさんいます。会員のおもてなしは様々であり、自分がされて嬉しいと思うおもてなしを考え実践しています。身の丈にあった無理のないおもてなしだからこそ継続しているのです。「自らが楽しんでいるから、観光客にも優しく接するこができ、観光客からうれしい言葉を直接聞けるから、より一層のおもてなしができる。」といった循環が、おもてなしの向上につながり、最終的には見知らぬ観光客と交流が生まれます。結果、お金をかけずに会員の方も楽しみながら町のファン作りができていると思っています。来年度の会員募集では、町の貴重な観光案内人である会員を1件でも増やしたいです。また、横瀬町の観光サイトには会員により花の開花情報等を掲載しているので、若い人にももっと横瀬町や花に興味をもってもらいたいと思います。