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【須﨑旅館】

茶道の心でおもてなし
【須﨑旅館】

[2015年3月19日]

須﨑旅館は、わらじカツ丼や小鹿野歌舞伎で有名な秩父郡小鹿野町にある歴史ある旅館です。
明治時代から続く旅館の館内には、秩父銘仙や明治時代のアンティークな小物などが飾られており、レトロ感が漂っています。
また、郷土料理、秩父の地の素材を使った料理などを提供しており、最近では外国人観光客も訪れています。
今回は、若女将の須﨑真紀子さんに外国人観光客誘致やおもてなしの取組などについて話を伺いました。

 

若女将の須﨑真紀子さん

若女将の須﨑真紀子さん

 外国人観光客の動向はいかがですか。

 月に一組くらいのお客様がいらっしゃいます。国別では、タイや台湾が多く、ほとんどが個人客です。楽天やじゃらんの英語版ホームページで須﨑旅館を紹介していただいていることもあり、それを見て予約してくれる外国人の方が多いです。
また、東京に1週間滞在している人が一日小鹿野に来て、自然散策をしたり、歌舞伎を見に来られるケースもあります。そうした方々を見ていると、せっかく日本に来たのだから和風旅館にも泊まりたいのではないかと感じます。

 

 外国人観光客への対応について教えてください。

 秩父地域おもてなし観光公社が主催する英語研修会に参加するなど、英会話の勉強を始めました。また、外国人のお客様に小鹿野の町の中を歩いていただきたいので、英語版の見どころマップを作成したいと思っています。小鹿野町では観光ガイドの育成も行っており、町全体で国内外からの観光客をお迎えできればと考えています。
町の観光資源である小鹿野歌舞伎などをもっとPRしたいです。団体客を受け入れるなど、一定の人数を確保することができれば、歌舞伎のメイクや着物を着ていただくことも可能です。

 

 外国人観光客に好評なものなど教えてください。

 お客様に着ていただくため秩父銘仙を用意しているのですが、色や柄などいろいろな種類の着物があるので、選ぶのが楽しいという声をよく聞きます。また、着物姿での写真撮影も人気があります。
小鹿野町は自然ばかりかと思ったが、歴史ある町並みや歌舞伎などの郷土芸能もある文化の町であると興味を持っていただくお客様も多くいらっしゃいます。

 

 若女将が考えるおもてなしについて教えてください。

 私はお茶を習っていますが、おもてなしで大切なのは、お客様を思いやるという一つ一つの積み重ねだと思います。
お客様に喜んでいただきたいという思いで、地元の野菜、地元で作っている豆腐やこんにゃく、毘沙門氷も出しています。小鹿野に訪れたお客様に地元のものを出すことは、地元旅館の役割だと思っていますし、地元のものをPRし、お客様に喜んでもらえれば、それを作った地元の人も喜んでくれます。町全体でおもてなしができればと思います。

 

 従業員の育成についてはいかがですか。

 須﨑旅館には、13人の従業員がいます。私のおもてなしのベースは茶道の立ち振る舞いです。お客様を思いやるということを日々、従業員に伝えています。
また、従業員ミーティングの場を利用して、お客様に満足していただける接客、お客様を笑顔にする接客などを目指して、接客対応のシュミレーションも行っています。

 

 課題や今後の展望などについてお聞きします。

 小鹿野町には歴史ある町並みや自然、地元食材など、見どころやおいしいものがたくさんありますが、どのようにPRしていくのかが課題です。また、高齢の方が多いので、歴史ある町並みをどのように残していくのかも課題です。
私は、地元商店組合の集まりにも参加していますが、もっと個々の商店が活気を出しやっていけたらと思っています。
そんな中、例えば、町の中で人力車を走らせたらどうかなど、今後、皆でいろいろなアイデアを出していきたいと思います。
国内外から多くの観光客をお迎えして、町が賑やかになれば、地域の活性化につなげることもできると思います。町内はもとより、いろいろな方と連携して小鹿野をPRしていきます。