2010年2月、赤城乳業（株）「本庄千本さくら『５Ｓ』工場」は日本のアイス生産量の約１０％を製造する能力を持つ、日本最大規模のアイス工場として操業を開始しました。
2011年７月から、アイス製造工程やガリガリ君広場を一般向けに公開するとともに、アイスの試食もできる話題の見学施設です。
ネットでの予約抽選で見学者を受け入れており、その数は年間１万人以上、累計で５万人を超えています。
今回は、生産企画部生産企画課　副主任の箕輪（みのわ）有夏さんにお話を伺いました。

Ｑ　工場の特徴について教えてください

Ａ　工場の名前に『５Ｓ』※を付けるほど、『５Ｓ』にこだわりを持って仕事を進めています。各エリアに『５Ｓ』の責任者を立て、その者を中心に整理・整頓を徹底してもらっています。
例えば、トイレのスリッパが乱雑になっているのを見たらすぐに整列させます。特に工場見学のメインとなる製造室内は、お客様の視線を最も多く集める場所です。製造室内で働く社員には定期的に見学通路から自分たちの仕事場を見てもらい整理整頓に注意してもらっています。
社員には、お客様の目線で仕事場を見てもらうことで、『５Ｓ』の大切さに気づいてもらいました。その結果、製造室内からお客様の姿が見えたら自然に挨拶できるようになりました。
※（５Ｓとは整理・整頓・清掃・清潔・躾の５つの頭文字のＳを取ったもの）

Ｑ　工場見学で工夫している点はありますか

Ａ　キャラクターのガリガリ君が小学生という事もあり、お子様にも分かり易いご案内を心掛けています。会社説明にスライドを使用しますが、それも仮名がふってあるものに変えました。口調は丁寧さを残しつつ、内容も噛み砕きお子様にも理解していただける単語を使っています。

大人のみのグループの場合は、９０分の見学の時間配分を変えています。子どもに人気のガリガリ君広場での滞在時間を短縮し、その分、製造過程など作業現場の見学を充実しています。
また、見学中にお客様から質問をされることが多いため、各自が受けた質問は、案内人同士での情報交換を密にして対応に万全を尽くしています。また、答えに困るような質問の場合にはいったん保留にし、担当者に確認を取ってからお答えしています。
見学ルートの通路には、壁にガリガリ君が工場で働くイラストを描くなど大人の方でも心躍るような工夫を凝らしています。工場の敷地内に入った瞬間からお帰りになってからもガリガリ君の魅力に包まれる工場のため、思いがけず童心にかえり楽しむことができます。

Ｑ　御社が自慢できるおもてなしの取り組みを教えてください

Ａ　挨拶に始まり挨拶で終わるのは基本ですが、お客様とすれ違う社員は笑顔で元気よく挨拶することを心がけております。
製造室内も例外ではなく、お客様が見学通路を通っているのが見えると、製造室で働く社員は会釈をし、お子様から手を振っていただくなど反応があると、美味しいアイスを届けたいという気持ちが高まり、より仕事に熱が入ります。従業員にとってもお客様にとっても、短い時間ですが楽しい時間を共有できる絶好のチャンスと考えています。

Ｑ　お客様からの意見や要望などありますか

Ａ　見学後にアンケート調査を実施しています。その結果をもとに、課内ミーティングで見学内容の見直しや新たなイベントの企画をしています。
御意見・御要望にはできるだけ早く改善するようにしています。ハード面でお金や時間が掛かり、すぐには無理な場合でもアイデアにより少しでも快適になるように工夫しています。
次にどのようなイベントを企画しようかなど、課内ミーティングでアイデアを出し合い、準備をしていく時間を皆で楽しんでいます。当日を迎え、お客様の驚きのお声や笑顔を見るのが何よりの楽しみです。

Ｑ　今後の抱負などについてお聞かせください。

Ａ　１度ではなく、何度もお越しくださるお客様がいますので、来る度に何かしらの新しい出会いを提供できるようにと日々考えています。アイデアを出し合い、どんどん形にし、より楽しく、より分かり易い工場見学にするために頑張ります。