西武秩父駅
西武秩父駅は、昭和44年に西武池袋線の吾野駅(飯能市)から西武秩父駅までの延伸(西武秩父線の開業)に伴いオープンした駅です。
平成24年度の1日平均乗降客は6,655人です。平日の利用客は都内等への通勤・通学者が中心ですが、土日は秩父方面への観光客で賑わっています。
今回は、西武秩父駅、横瀬駅、芦ヶ久保駅、正丸駅、西吾野駅、吾野駅、東吾野駅、武蔵横手駅の8駅を統括している西武秩父駅管区管区長の齋藤一彦さんに、おもてなしの取組等についてお話を伺いました。
Q 西武秩父駅管区の概況について教えてください。
A 西武秩父駅管区には8つの駅があり、50名の駅員が働いています。管区の中心的な駅である西武秩父駅には15名が配属されています。西武秩父駅までは池袋から特急で最短78分です。通勤・通学者はもとより、数多くの観光客の皆様にも御利用していただいておりますので、生活圏、観光圏の2面性を有する駅と言えます。
Q 観光客向けにどのような取組を行っていますか。
A 秩父にはたくさんの観光資源があります。駅長のおすすめ観光スポットという内容で手作り看板を作成し、管区の8駅に掲出しています。ネット社会で情報は出回っていますが、リアルタイムに駅のポスターや手作り看板でPRする効果は大きいと思っています。私が平成24年に管区長になってから毎月1回か2回のペースで手作り看板を作成・掲示しています。
これまで秩父ミューズパークの「サルスベリの花」、秩父・横瀬の「いちご狩り」、長瀞の「夜桜」など秩父全域の情報を流してきました。お客様からの反応も上々ですね。
お客様から手作り看板の内容について尋ねられることも多いです。駅員からも情報を得ながら、今後もお客様におすすめの観光情報を提供していきたいと考えています。
Q 駅でのおもてなしについてどのように考えていますか。
A 埼玉を代表する観光地の駅として、秩父に来ていただいたお客様には是非リピーターになっていただきたいです。お客様が旅行に出かける時、駅はお客様にとっての旅の窓口になると思います。楽しい旅の始めに接した駅員の印象が悪かったら旅が台無しになってしまいます。
所属部の上司からも「駅での好感度アップに心がけましょう。お客様に声をかけられたら笑顔、笑声(えごえ)で『はい』と答えましょう。さらに各職場で何か+αを独自に足し込んで、気持ち良く西武線を利用していただきましょう」と言われています。
これを受けて、西武秩父駅管区では、定期的に駅員の接客の様子をビデオに撮って、表情や話し方などきちんと対応できているか検証しています。また、朝礼では、笑顔の作り方のトレーニングもやっています。
最初はなかなか慣れませんでしたが、月例教育や朝礼を重ねて、この1年くらいでようやく自然と笑顔でお客様に対応できるようになってきたと思います。皆頑張っていますので、接遇の上手な駅員については、私は褒めているんですよ。
Q 駅員を対象におもてなしの研修会を実施していますか。
A 秩父市と秩父商工会議所が編集・発行している「やさしいみんなの秩父学」というテキストがあります。秩父の自然や歴史について学べる教本なのですが、これを駅員の資料として使い始めました。西武鉄道には会社設立当初から月例教育という制度があります。職場単位で接遇などの教育を開催しています。西武秩父駅管区の駅は観光と関わりが深いので、この月例教育の中で地元観光についても勉強していくことにしました。駅員には地元を熟知してもらいお客様にPR・御案内できるようになってもらいたいです。
Q 地元との連携で何か取り組んでいますか。
A 地元の観光協会や組合などから、西武池袋線の都内の駅などで観光PRしたいなどの相談があります。春先にはいちご組合、秋にはぶどう組合と連携して西武池袋駅で観光・物産PRを行っています。また、西武池袋線と東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線の相互直通運転に伴い、例えば秩父市・横瀬町の観光協会と連携して東急横浜駅で羊山公園芝桜のPRや、飯能市・日高市の観光協会と連携して、東急横浜駅や東急武蔵小杉駅で曼珠沙華のPRも行いました。お客様の多い都内でのPRは効果的だと思います。
そして、観光PRにより多くのお客様が西武線を利用して秩父に来ていただければ最高ですね。
Q 最後に今後の抱負などについてお聞かせください。
A 私は、地元(旧両神村)の出身です。秩父地域の魅力をPRしたいという気持ちが人一倍強いです。引き続き、駅長のおすすめ観光スポットの内容を充実したり、地元自治体などと連携して秩父の物産の知名度アップを図るなどPRに取り組んでいきます。
最近では、駅を心地よい空間にするため、サフィニアという花を飾っています。造花ですが、洗面台にもたくさん花を飾っています。これからは綺麗な駅、癒しを提供できる駅を目指していきたいです。
また、西武秩父駅管区には、秩父市、横瀬町、飯能市、日高市という観光の名所がある市町があります。西武線を代表する観光地の駅として、管轄内の市町やいろいろな地元団体と連携して秩父をPRするとともに、駅でのおもてなしにも取り組んでいきます。
カテゴリ:[発見!おもてなし、交通事業者(鉄道、バス、タクシー等)、秩父地域]