東松山駅
東武東上線東松山駅は、大正12年に武州松山駅という駅名で開設された歴史ある駅です。(東松山市の市制施行(昭和29年)に伴い現在の駅名に変更)
東松山駅の平成24年度の1日平均乗降客数は約3万人です。平日は都内への通勤・通学のお客様の利用が中心ですが、国指定史跡の吉見百穴などの観光や東松山のやきとり(豚のカシラ肉を炭火で焼き辛味の効いた味噌だれをつけて食べる東松山の名物)などを目的に駅を利用するお客様も数多くいます。
東松山駅では16名の駅職員がお客様をお迎えしています。
今回は、駅長の横山武司さんに、おもてなしの取組などについてお話を伺いました。
Q お客様をお迎えするに当たって注意している点はありますか。
A 駅の自動改札化が進み、駅職員がお客様と接する機会が大幅に減少しています。
最近では、お客様から「最近、駅員さんをあまり見かけませんね。どこにいるのですか?何人くらいいるんですか?」などと聞かれることが多くなりました。
こうした中、駅職員(駅改札窓口、券売機等を担当)に対しては「お客様と接する際は笑顔で接しましょう」といつも言っています。駅員の存在をお客様にアピールすることも重要だと思います。
また、お客様向けに何かできないかといろいろ考えていたのですが、季節ごとに駅構内でお客様向けにちょっとした展示や飾り付けをするなど駅のイメージアップも図っています。
Q 具体的な取組内容を教えてください。
A 駅を利用するお客様にどうしたら喜んでいただけるか、電車の待ち時間などの間に楽しんでいただけるようなことはないか、駅職員たちと話し合いました。
その結果、ゴールデンウィークに東松山駅を利用するお子様向けに、東上線のファンになってもらえるように、職員が新聞紙で兜を折って改札口付近で配布したり、七夕の日には駅のコンコースに七夕飾りを設置したりしました。お客様を温かくお迎えすること、駅職員とお客様の距離を近づけ、より一層のサービスができるよう心がけようと思いました。
Q お客様からの反応はいかがでしたか。
A 7月1日から7日まで改札の外に七夕飾りを設置しましたが、小学生から高校生などを中心に、駅を御利用になる多くのお客様に短冊にお願い事を書いていただきました。
お客様には大変喜んでいただけたと思っています。一生懸命短冊に願い事を書かれている姿を何回も見かけたので、お客様に書いていただいた短冊については、7月8日に野球の願掛けで有名な東松山市の箭弓(やきゅう)稲荷神社に奉納いたしました。また、私たちが神社に奉納した際の模様などを撮影した写真をコンコースに飾りました。
駅職員とお客様のコミュニケーションが深まるとともに、今後、お客様をおもてなししていく1つのきっかけにもなったと思っています。
Q 苦労したことはありますか。
A 七夕飾りの設置や兜の配布場所については、私たちから常にお客様の反応を確認できる位置に設置しました。「短冊をください」というお客様が次から次へとお越しになり、対応する駅職員は本業をやりながらの作業であり大変でした。でも、嬉しい悲鳴ですね(笑)。
予算のない中、駅職員に竹竿の用意をお願いしたり、すべてボランティア精神でやってもらいました。
そして何よりも、これらの取組でお客様と接する機会が増えると思いましたので、駅職員が常に明るい笑顔でお客様に接していけるよう駅職員同士で話し合いました。簡単なようでいざやるとなるとなかなか難しいものです。
Q 駅において地元PRなどを行っていますか。
A 地元PRということでは、駅の観光パンフレットスタンドには常に10種類以上のパンレットを置いていますが、やはり東松山の「やきとり」関係のマップがよく出ていますね。東松山市と連携してPRに努めています。また、東松山市では昔から梨の生産が盛んです。駅と市内の東平(ひがしだいら)梨組合と連携して、駅の改札前において梨の販売会も開催しています。また、東松山市の市花「ぼたん」のPRや、桜の時期に公園や沿道を灯ろうの明かりで結ぶ「東松山夢灯路」開催時には駅構内にも灯ろうを設置してお客様にその雰囲気を楽しんでいただいています。
Q 今後の抱負などをお聞かせください。
A 七夕飾りや兜作成の取組を始めたことで、学生のお客様などから声をかけてもらうことが増えました。駅職員は皆嬉しいと言っています。今後もクリスマスなどのイベント時期に併せて、お客様に喜んでいただける取組を考えていきたいです。
カテゴリ:[発見!おもてなし、交通事業者(鉄道、バス、タクシー等)、川越比企地域]