長瀞町には、年間200万人の観光客が訪れています。また、平成23年には、フランスのミシュラン社が発行する旅行ガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に紹介されるなど、観光スポットとして海外からも注目されています。
今回は長瀞町観光協会を訪問し、事務局の保泉友美さんから長瀞町観光協会の取組について話を伺いました。
同協会は、長瀞駅前に観光案内所を設置し、お客様に情報提供を行うとともに、船玉まつりをはじめ、春の桜や秋の紅葉のライトアップなどを企画運営するなど長瀞のイメージアップに取り組んでいます。
また、最近では外国人が通訳なしで観光スポットを回れるように、外国語の音声で観光案内が流れるパンフレットを導入するなど外国人観光客を受け入れるための取組も積極的に行っています。
観光客に対する接遇向上のため、協会員や川下りの船頭員などを対象として研修会を年数回程度開催するなど、おもてなし力向上に向けての取組も行っています。
Q 最近、外国からのお客様が増えているそうですが、どのような国からのお客様が多いですか。また、お客様はどのような目的で長瀞を訪問していますか。
A 東日本大震災の影響で外国からのお客様は少し減りましたが、平成24年に行った調 査では年間約10万人の外国人の方が長瀞に訪れています。団体客ですと中国や台湾の方が多いです。また、個人客では、在日の留学生や仕事で日本に来た人です。訪問目的では長瀞の自然など日本らしい所を見たいという方が多いです。また、若い人では、キャンプやラフティングを目的にいらっしゃる方が多いです。
Q 外国からのお客様に対して、パンフレットを作成しようとしたきっかけなどを聞かせ てください。
A 「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で紹介されたことで、外国人向けパンフレットの作成を決めました。それまでは、簡単な英語のマップしかありませんでしたが、平成23年度事業で岩畳や宝登山神社などの観光スポットを英語や韓国語・中国語など外国語表記にしたパンフレット5カ国語分を作成しました。
Q パンフレットの特徴を教えてください。
A このパンフレットは特殊な専用ペンでパンフレット上に印刷された観光スポットの表示に触れると、それぞれの国の音声で観光案内をしてくれるような仕組みになっています。日本語版もありますので、目の不自由な方にも使っていただいています。
Q 具体的にどのように使うのですか。
A 外国からのお客様が観光案内所にいらした際にパンフレットを職員が専用ペンでなぞってご案内しています。専用ペンは差し上げることはできませんが、パンフレットは自由にお持ち帰りいただいています。
Q 苦労した点などを教えてください。
A 観光スポットの翻訳について、どのように翻訳したら外国人に理解してもらえるかが難しかったです。どのように表現するか案内所のスタッフ皆で話し合いました。
Q パンフレット導入の効果はありましたか。
A 外国語に堪能な職員が一人いますが、それだけではお客様に対応できません。このパンフレットを導入したことにより、どの職員でも外国からのお客様を自信を持ってお迎えすることができているので、大きな効果がありました。新たに外国語ができる職員の配置を行わないで対応しているので、人員的にも効果があったと思います。
Q パンフレットをご覧になった外国からのお客様の反応はどうですか。
A 音声のガイダンスを聞いて驚く外国からのお客様が多いです。パンフレットの文字説明だけでなく、音声で聞くことでより理解が深まるというお声をいただいています。
Q そのほか、おもてなし向上の取組があったら教えてください。
A 長瀞に来ていただいたお客様に気持ち良く楽しんでいただきたいと、観光協会の会員であるお土産屋さん、宿泊業の方々といつも話し合っています。例えば、長瀞駅近くに設置してあるお客様用トイレをいつもきれいにしておこうと会員が交代で掃除しています。また、お客様に喜んでいただくために、毎日のようにトイレに花を飾っている方もいます。
Q 最後に、何か御意見等はありますか。
A 埼玉県民は県外に遊びに行ってしまう傾向にあると思います。長瀞町に来ていただいて埼玉県を知ってもらうきっかけになったらいいと思います。
長瀞町観光協会公式サイト→http://www.nagatoro.gr.jp/
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